無限大の力を持つ寿元 退治したい過酸化脂質
糖尿病治療には玄米が一番
「医食同源」より抜粋
 黒大豆健康食品「寿元」を化学的に解説

【無限大の力を持つ寿元】
「黒大豆で体質改善を」腎臓など”若返る”作用も

小笠原重三でございます。私は、演台の前でお話ををするのが苦手でございまして、 あっちこっちと移動して、おしゃべりをいたしますので、お許しください。 私の前に、犬に寿元を与えたら、毛づやがよくなったという話がありましたが、私にも、 こんな経験があります。金魚というのは、たいていは死ぬ前に、ひっくりかえって腹を 出し、やがて死に絶えますが、そんなときに、水槽の中に、寿元の粉を少量、パラパラッ とまいてやりますと、三分もたたないうちに、正常に腹を下にし、泳ぎだしますよ。寿元は、 人間ばかりではなく、動物などにも有効なんですね。 また、寿元を食べ続けた結果、女性の方の髪の毛が、先のほうまで黒くなり、艶やかに なったという体験談もありましたが、これは、体質が陰性から陽性に変わった結果だと思 います。このケースは、漢方薬の世界でもままあります。 では、その方は、体のどこが悪かったのでしょうか。臓器から見ると腎臓が悪かったんです。 腎臓が悪くて、水のはけが悪くて、陰性体質であった。そして、腎臓の中の血管の動脈が 細くなって小便が細く、チビチビしか出なくなり、頻尿になるとかの状態だったわけです。 それが改善されたんですね。結果、血液の流れが、非常によくなりまして、末端までいって 血圧も下がるし、髪の毛もきれいになったということです。犬や猫も同じことなんです。 腎臓がよくなって、体質が陰性から陽性に変わって、髪の毛の先まで丈夫に、太くなった・・ ・ということだ思いますね。漢方薬の世界では、そういうふうに説明しています。 それから、液体の寿元のほうが、どうも宿便がよく取れるようだ・・・とのお話がありましたが、 私も、体験からして、そう思います。その方は、それは多分、オリゴ糖のせいだろう・・・と 付け加えられましたが、まさしくその通りだと考えます。皆さん、いろいろと勉強をなさって いるようで、私も、ウカウカとしていられない心境です。 -------------------------------------------------------------------------------- 私の本日の講演の持ち時間は、一時間三十分ですので、最初の三十分は「五臓と寿元」 をテーマにお話していきたいと思います。 五臓というのは肝臓、心臓、脾臓(漢方の世界では、膵臓のことを脾臓といいます)、肺臓 腎臓のことです。この五臓と寿元は、いったい、どういう関係にあるのか・・・。 本題に入りたいと思います。 寿元を食べますと、不思議に、体が温かくなります。なぜ、温かくなるのか、これをご説明 します。腎臓の中で、頻尿というのがあります。先ほど話しに出ました黒大豆には、三つの 作用があります。 一つは利水作用。尿の汲み取る作用です。水のはけをよくするんですね。人間の体は、 100%のうち(赤ちゃんと老人では違いますが)七〇%が水なんですよ。ところが、その 水が動かないと、体の中で循環をしないと、冷え性になってきます。男性よりも女性の ほうが、どういうわけか、年をとると冷え性が非常に多くなります。それは、女性ホルモン がなくなるのを境にして、ますますひどくなります。 二つ目が、活血、去風作用です。血のめぐりをよくし、痛みを取る作用です。水が止まっ ていますと、体に痛みが出てきます。水が動いているうちは痛みはでません。ですから、 痛いところがあったら、水と酸素をやれば、痛みは全部なくなるんですよ。水を回すだけで はだめですが、そこに酸素を送ってやれば、どんな痛みでも、解消します。 たとえば、ガンの痛みでも和らぎます。ガンがなくなることはありませんが、非常にやわらか くなってきます。ひざが痛い、腰が痛い、首が痛い、肩が痛い、頭が痛いなど、症状はいろ いろありますが、体の中の水を動かして、体の中の酸素をたくさん送ってやると痛みはなく なります。この活血、去風作用。血のめぐりをよくし、痛みを取る作用が、実は、黒大豆にも あるんですよ。 三番目が、解毒作用です。解毒作用というのは漢方でいう「気・血・水」の三つのうちの血 ・水の回転をよくさせれば、有効になります。黒板に張られた資料をご覧下さい。そこに、 「腎臓の若返りに、黒大豆(大豆黄巻)」とあります。この大豆黄巻というのは、なんでしょう か。中国では昔から、三千年も四千年も前から、大豆黄巻という言葉があるんです。 「大豆黄巻」というのは、黒大豆を一センチか、二センチの長さに発芽させ、そのまま乾燥さ せたものなんです。これを大豆黄巻と言っているんです。漢方の薬局に行けば、必ずありま す。それを食べていると、腎臓が若返るということなんですね。もちろん、黒大豆そのままで もいいんですよ。黒大豆を原料としている「寿元」というのは、この普通の黒大豆の約一千 倍の力がある・・・と思われたらいいんです。 それこそ、無限大の力ですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 【五臓にはすべて穴】 その腎臓が弱くなるのを「腎虚」といいます。体の丈夫な人を、「実」といいますが、その逆の 弱い状態が、「虚」です。この腎が弱くなると、体が腎臓を通さないで、水分を排泄しようとす るために寝ている間に大量の汗をかくようになります。 これが、いわゆる「寝汗」です。寝汗をかくというのは、腎臓が弱くて、腎の働きが弱いので、 体の表面から汗を出して、補っているわけです。 今と同じような話ですが、ひざの痛みについての黒板の図表をご覧ください。「腎は、体内の 水分をコントロールしている」とあります。これも黒大豆の薬効ですね。利水作用、活血作用 去風作用、解毒作用・・・これでひざの痛みが止まるわけです。 腎の働きが低下すると、すなわち、腎虚になる。腎が虚すると、骨が弱くなります。リウマチ、 関節痛、むくみ、発汗、めまい、耳鳴り、腰痛、寝汗が発症します。 腎臓が弱くなると、なぜ、耳鳴りがするんですか?と皆さんに不思議がられますが、五つの臓 器は、すべて、穴を一つずつ持っているんです。腎臓は耳という穴を持っています。肝臓は 目という穴を、心臓は舌という穴を持っています。お医者さんが、心臓が悪いかどうかを調べる とき、「舌を出してご覧」と言いますが、これは舌が赤くなっているか、白くなっているかを調 べているんです。脾臓は口です。口の周りに吹き出物や、おできができている状態は、脾臓 が悪いか、胃が悪いかの、どちらかでしょうね。肺臓は、もちろん、呼吸をする鼻ですね。 このように、五臓は体のそれぞれに穴を一つずつ持って、行ったり来たりしているんですよ。 人間の体はバラバラじゃないんです。 次に、腎の話を、もっと詳しくしたいと思います。 寝汗、頻尿はもちろんですが、高血圧も腎臓が悪いと発症します。それは、先ほど言いました ように、腎臓は、水をはけます。この水は、普通の水ではありません。塩水を出しているんで す。栄養分もある水を外へ出しているわけです。腎臓の動脈が正常に戻り、スイスイと小便が よく出て、頻尿、夜間尿とかがなくなってくると、それだけ塩分が体外に出るので、血圧は簡 単に下がってくるんです。血圧の高い人に腎臓の薬を与えるのは、そういうことなんですよ。 「医食同源」2002年5月号掲載 【退治したい過酸化脂質】 「ガン発症の原因にも」黒大豆に六つの有効成分 腎臓も心臓も、水が滞っていると、むくんできます。顔がパンパンになって、しわがなくなって くると、いい男になったとか、いい女になった・・・といいますが、この現象は、だめなんです。 あれは、腎臓も心臓も、むくんで、水が動かない状態なんですよ。むくんでいる方は、腎臓か 心臓のどちらかが悪いんです。むくみ、だるさのある人は要注意です。こんな状態が続くと、ほ とんどの人は糖尿病ではないかと心配します。 糖尿病の人は、全身に糖が回って、その糖のために、水がみんな吸着されて、水が飲みた いという現象が起きます。水を飲まないと、血液がドロドロしてきて、次第に濃くなってきて動 けなくなります。いくら水を飲んでも飲み足らない・・・というふうになる場合もあります。 そうならない人は軽いほうです。糖尿病がだんだん重くなってくると、水を飲む頻度が多くな ります。だるさというのも、腎臓がスムーズに動いていない証拠なんです。糖尿病だって、腎 臓を正常に戻すと、治ってくるんですよ。 黒大豆寿元の成分表をみてみますと、ダイゼイン、あるいは、ダイジンというものが入ってい ます。これが腎臓病に有効なんです。ですから、五臓のうちの、腎の悪い人は、黒大豆寿元 を飲めばいい影響が出るということですね。 次は、五臓のうちの三番。肝臓です。ここでは寿元と肝臓についてお話しましょう。肝臓は、 血液や酵素をつくって、保管しておくところなんです。大変なところなんですよ。ところが、 この肝臓は、「沈黙の臓器」といわれています。痛いとかかゆいとか、一言もしゃべりません。 つまり、何にも言わない臓器なんです。ですから、肝臓が悪くなっても、なかなか気が付き ません。 この肝臓には、たった一つ弱点があります。それは、脂肪に弱いということです。肝臓に脂肪 が余計にたまると、脂肪肝という、肝臓が非常に嫌がる病気になります。普通、肝臓には、 三%から四%ぐらいの脂肪しか付着しませんが、10%以上もくっつくと、肝臓は病気になりま す。ところが、天の神様は、非常によくしてくれました。 -------------------------------------------------------------------------------- 「肝胆相照らす」という言葉をご存じだと思います。これは、お互いに切磋琢磨して、付き合う こと、あるいは、心の底までさらけだして、付き合うことです。この肝臓と胆腑という二つの臓器 は、非常に仲がいいんですね。肝臓の中に胆腑があります。一緒に包含しているわけです。 肝臓は、脂に弱いけれど、胆腑は脂に強い。ですから、胆腑は脂に弱い肝臓を助けるため に、胆汁を出して、肝臓の脂を溶解してくれるという仲のよさを発揮しています。 私どもが脂っこいものを食べると、肝臓はすぐに「おい、胆さんや。お前が行って、あの脂を 溶かしてくれ。俺、脂にはめっぽう弱いから」と頼むわけです。すると、胆さんは、胆汁を出し 脂肪を溶かすわけです。人間の体というのは、よくできていますね。 この肝臓は、実は、血液の循環が一番悪いところなんです。血液の循環をよくして、酸素で 温めてもらわなければならないところなのに、循環が最高に悪いんです。これが黒大豆の 寿元を飲んでいただくと、三〇%ほど、血液の流れが早くなるという近畿大学薬学部の久保 道徳薬学博士のデータがあります。黒大豆の寿元をいただくと、不思議に体が温かくなる・・ ということは、皆さんもご経験していると思いますが、このことを指しているのだと推察します。 -------------------------------------------------------------------------------- 次に、酵素について少しお話しましょう。 植物から取った酵素飲料というものがありますが、これは、人体の酵素とは関係ないんですよ。 これを飲んでいると、人間の体の中の酵素は、よくなるように言われていますが、間違いです。 人間の体の中の酵素は二千種類あるといわれております。しかし、それは植物や、ほかの 動物に入っている酵素とは、全くモノが違うんです。 その一番いい例が牛乳です。牛乳を飲みますと大抵の人はアレルギーを起こします。牛乳の たんぱく質は、飲み物の中で分子が一番小さいんです。ですから、あれを飲みますと、間違っ て腸から吸収される場合があります。牛乳のたんぱく質が、腸から吸収されますと、人間のた んぱく質でありませんから、アレルギーになるんです。ですから、牛乳を飲んで、アレルギーを 起こすほうが正しいんです。 人間の体内にある酵素は、体の冷えている人には、ほとんど活躍しません。温かくないと、だめ なんです。冷え性の人が何を飲んでも、あまり効かない、免疫力もない・・・というのは、酵素が 活躍してくれないからです。 【痛みは自然治癒力反応】 また、血液がアルカリ性体質であると、酵素は活躍します。 甘いものを食べて、血液を酸性にして体を冷やしますと、酵素は活躍しません。酵素が活躍し ないと、水が動きません。つまり、腎臓が動かないという状態になるわけです。そうすると、肝臓 も悪くなってきます。二千種類の人間の体内の酵素は、血液がアルカリ性になって、体温が上 がれば、大活躍をしますが、逆になると、酵素は、死んだも同然になります。 その酵素の活躍を、肝臓の中で助けてくれるのが、黒大豆寿元であるということですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 次にご覧いただく図表は、赤血球を運んでいるトラックです。積んでいるのは酸素です。十六 個の酸素を積んでいるわけです。一個の赤血球が十六個の酸素を積んで、体の中を回って います。そのトラックの数が少ないと冷え性になります。冷え性のうちは、まだまだいいのです が、次に貧血などになってきます。さらに進むと、痛みが出てきます。人間の体には、自然治 癒力があって、体の悪いところは、何か反応を出します。痛みは、酸素が欠乏しているから、 出るんです。 この次の糖尿病の項で図表が出てきますが、糖尿病になると、白内障のほか、足のしびれ、 血が回らなくなり、壊疽になって、足を切断しなければならなくなる人もいます。それは、赤血 球を運ぶトラックが足りないからです。白内障は、目の膜のところに、充分に酸素がいかない から起きるんです。そういう酸素を送るのは、肝臓と酵素の複雑な仕組みで、大変大切なも のなんですね。 体の中で、一番厄介なのは、脂です。体の中に余分な糖があれば、それは、糖尿病のもとに なります。しかし、脂が余分になれば、それは過酸化脂質になります。過酸化というのは、 「腐った」ということなんですよ。あまりにも腐った脂が増えると、過酸化脂質となります。この 過酸化脂質をあまり気にしない人がいますが、これ、ガンのもとになるんですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- この過酸化脂質を退治してくれる素晴らしいものがあります。脂の腐るのを抵抗する抗酸化 物質というものです。寿元の中にも、六つ含まれています。大豆サポニン、イソフラボン、ダイ ジンあるいはダイゼイン、アントシアニジン、リノレン酸、コリンの六種類ですね。これらが、 血管壁をきれいにして、動脈の硬化を改善します。こんなに多くの有効な種類の成分が入っ ているのは、黒大豆しかありません。 「医食同源」2002年6月号掲載 【糖尿病治療には玄米が一番】 たっぷりビタミンB6・骨粗しょう症の予防には寿元

「黒大豆」および「寿元」には脂が腐るのを防ぐ抗酸化物質が六種類含まれています。サポニン、 イソフラボン、ダイジン、アントシアニジン、、リノレン酸、コリンです。

これらが、血管壁をきれいにして、動脈の硬化を改善します。本当に素晴らしいですね。私は、 十二〜十三歳のときから今日まで、かなりの量の本を読みましたけれど、一つの食品の中に、 こんな素晴らしい成分が六つも含まれているものって、ほとんど記憶がありません。

では、これらの成分の中でいくつかを分析してみましょう。まず、「サポニン」。大豆から発見され た新成分です。初めにお断りしますが、これから述べることは、京都大学の家森幸男教授の 学説です。

-------------------------------------------------------------------------------- 「過酸化脂質を与えたラットでも、同時に大豆のサポニンを食べさせると、GTPは上げらず正常の 三〇にとどまっている」。これは、血糖値と同じで、数字が上がれば上がるほど、肝臓病が悪いと いうことになります。

皆さんが病院へ行って、酵素の検査をしてもらって、「あなたの肝臓の数値は、GPTが三〇ですよ」 と、もし言われたら、大威張りしていいですよ。帰って来て、お祝いの酒を一杯飲んでもいいと思い ます。しかしながら、これが四〇になり、五〇になり、六〇になったら、ちょっと危険信号です。「この ままいくと、あなたは肝臓ガンで死にますよ」なんて脅かされる可能性も、なきにしもあらずです。 肝硬変から、肝臓ガンにいく場合もありますから、十分にご注意下さい。

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次は、「イソフラボン」です。黒板の図表をご覧下さい。「高血圧には、イソフラボン」とありますね。 イソフラボンというのは、女性ホルモンなんです。これには、だいたい、三つの作用があります。 @血液中のコレステロールを減らす。A動脈を広げて、血液の流れを良くする。B血液が固まる のを防ぐ。つまり、血栓ができるのを防ぐ。この三つの作用があるんですよ。

統計上からみますと、若いとき、男性の心臓病は、かなりありますが、女性は、それほど多くあり ません。ところが女性も閉経になり、つまり、メンスが終わってくると、男性に優るとも劣らないぐ らい、心臓病が増えてきます。 女性ホルモンというのは、そういう意味で、大切なんですよ。これをひとつ、頭の中においてくだ さい。「イソフラボン」というのは、この女性ホルモンとまったく同じ作用をしているんです。ですから 女性の方が、閉経するか、しないかというときには、できるだけ、心臓病予防のために、寿元を 勧めて、飲ませたほうがいいんです。

せっかくですから、女性ホルモンについて、もう一点だけ、お話ししましょう。骨は、カルシウムだ けを摂っていればいい、と思っている人は、間違いである・・・ということです。

この黒板の図表には、「脳卒中ラット(ネズミ)は、骨がもろく、骨粗しょう症のよいモデルになりま す。そのラットに、イソフラボンを混ぜた餌(エサ)を与えると、骨からカルシウムが抜けていくのを 抑えることが、実験で証明された」と書いてありますね。ですから、黒大豆の寿元を食べたり、飲ん でいますと、イソフラボンがたくさん入っていますから、カルシウムを飲んでいるのと、まったく同じ 状態になるんです。「骨粗しょう症の予防」にもなるわけです。

これで、心臓病の話は終わり、五臓のうちのひとつ脾に移ります。

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つまり、「膵臓」です。漢方のほうでは、膵臓のことを脾と言っております。この脾臓が弱ってきますと、 糖尿病になるわけです。その糖尿病になる理屈を、一点だけお話ししましょう。

肝臓が、何らかの状態で、たとえば、脂っこいものをたくさん食べる人がいて、いくら胆腑が手伝いを しても、なかなか脂が抜け切れない・・・という最悪の状態にあるとしましょう。「うちのご主人さまは、 脂がとても好きで、私が、こんなに困っているのに、いつも脂ばっかり食べる」と、肝臓がこぼしてい ても、その嗜好がまったく直らない人がいます。この状態が続きますと、血液が次第に濁ってきます。 肝臓の解毒作用が、うまくいかないで、血液が濁るわけです。血液が濁ってきますと、罰がどこへ行く かといいますと、脾臓にいくんですね。そうしますと脾臓は、その汚れた脂にやられてしまって、イン スリンを出すことができなくなるんです。脂をいっぱい食べて、肝臓がやられると、インスリンが出せな いんです。出そうと思っても、出てこないんですね。

-------------------------------------------------------------------------------- 「甘は、肝を呼ぶ、」

そうしますと、どうなるか。糖分が、血液の中にいっぱいになってきます。先ほども言いましたように、 甘いものは体を冷やします。そして、血液を酸性にします。脾臓は、この恨みを、腎臓に返すんですよ。 「これは俺のせいじゃないぞ、これは、肝臓のせいだ。肝臓が解毒作用を、うまくしてくれないから、 血液が酸性になって、インスリンも出てこない。糖分だけになってしまう。だから、お前のところへ罰が 行くんだ」と言うわけですね。

それを、漢方では「甘は、肝を呼ぶ」と言います。

甘いものを平気で、たくさんたくさん食べていますと、糖尿病になります。 甘いものを食べる代わりに、寿元を食べていただきたいと思います。

-------------------------------------------------------------------------------- ここで、「トリプシン・インヒビター」というものが出てきます。

これは黒大豆寿元の中に、たくさん入っています。その実験をしたのが、わたしども新潟大学医学部 名誉教授の藤田恒夫博士です。この先生は、膵臓の働きを高め、インスリンの分泌を増やすトリプシン インヒビターについて、実験の結果、こうであるとしています。

「普通の餌を食べたラットと、トリプシン・インヒビターの多い大豆の餌を食べたラットでは、膵臓の 大きさが、普通の餌を1にした場合、大豆の餌は1.5倍になる」としています。

この実験をされたのは、藤田恒夫博士ですが、これを報告された先生は、大豆博士として有名な 本紙にも何回か登場した東北大学農学部の大久保一良教授です。

では、次に、糖尿病の方の治療法をお教えしましょう。まず第一は、食事は、過食をせず、節食に 努めることです。第二は、軽い運動を長く続けること。三番目にそれでもだめならば、お医者さん に行って、インスリンを少しずつ打ってもらうこと。それでも、うまくいかなかったら、ビタミンB6を、 たくさんのみなさい・・・ということです。

ビタミンB6は、何に一番含まれているかといいますと、寿元にも含まれていますが、玄米に断然 多い。玄米には、最高に素晴らしいビタミンB6が入っています。

このビタミンが、なぜ大切かといいますと、欠乏すると、インスリンの活性化がなくなるんですね。 また、分泌が少なくなります。

ビタミンB6は、玄米のほかに、魚の鮭、鰯、まぐろ、鯖、果物のバナナなどに含まれますが、やはり、 玄米には、かないません。たとえば、白米ご飯三杯三百九十グラムを食べた場合を1としますと、玄米 一杯五十七グラムで、三倍強のビタミンB6が含まれます。
「医食同源2002年7月号掲載」


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